ほどほどじゃない養生-介護保険のこと❷要介護状態になる原因
- 2021/05/27
養生デザインの山中です。
普段は、ほどほど養生と題して「無理せず、カラダをととのえる」を大切に暮らしの中に取り入れやすいことを講座でお伝えしたり情報発信したりしています。
実は、その根っこと背景には介護保険に頼り過ぎない身体作りとまちづくりがあります。
目を逸らしているうちに大変なことにならない様に、ほどほどじゃない養生を伝えることも必要と書き始めています。
今回は第2弾!
前回は介護保険て何?介護保険料にいくら払ってる?といった内容をお伝えしました。ご興味ある方はコチラからぜひ読んでみてください⬇︎
ほどほどじゃない養生-介護保険のこと❶40歳からの社会保険
さて、今回は2つのことをテーマにお伝えします。
❶現状いったいどのくらいの方が要介護状態になっているのか?
❷ではなぜ介護保険サービスが必要な状態になるのか?
言い換えれば、この記事を読んでらっしゃる方が高齢者になった時に起こり得る状況です。
現実を突きつけますが、ワガコトに受け取って欲しいです。
どのくらいの方が要介護状態になる?
前回お伝えした第1号被保険者(65歳以上の方のこと)のうち、どのくらいの方が要介護状態にあるか?を調べてみると…
前期高齢者(65歳-74歳未満)は2.9%
後期高齢者(75歳以上)は23.5%!
75歳を過ぎるとビックリするくらい一気に増えます。
リハビリテーションの現場でもこんな声を耳にします。
「無茶な働き方を結構してたんや」
「若い頃はタバコもお酒も好きなだけやってたしな」
「自分のことはさておきで動いてたわ」
「あんたらも忙しいやろうけど、ホンマ気をつけや」
人生の大先輩たちが一所懸命に生きてこられた姿には頭が下がります。そんな生き様の一方で身体の機能は老いていくことも教えてもらっています。
何だか体調が変わってきたなーと感じ始め、健康診断の結果や受診などで少し気になる部分が増えてきた。でも、まー働けてるし寝込むほど体調悪いわけではないし…と一年一年過ぎていく…
身体は大きな変化がない様に何ともない様に過ごそうとしてくれます。ホメオスタシスとも言います。
身体の大切な機能ですが、身体は永続的にそのまま何事も起こらないなんてことはありません。
ホメオスタシス(こんな話もまたいつか)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%92%E5%B8%B8%E6%80%A7
74歳までは要介護状態になる率も低いし大丈夫。ということではなく…
65歳以降の過ごし方、さらには身体の曲がり角の40代頃からの過ごし方の積み重ねに身体もいよいよ踏ん張りきれなくなり、身体と暮らしに分かりやすく現れてきているとも考えられます。
もちろん予期せぬ病気やケガはありますが、元を辿れば思い当たることもあるもの。
介護予防が大事!と高齢者の方だけの話ではなく、40代頃からの日々の取り組みが50代→60代とジワジワとつながっています。
歳をとったらもうアカン
⬆︎の言葉もよく聞きます。
アカンわけではないですが、自分の出来ることが失われていく現実を表わしている言葉だなと感じます。
要介護状態がダメで介護保険を使うことが悪なのではなく、身体が悪くなったら介護保険がある!と頼り過ぎてしまうことに不安を感じています。いざサービスを受ける状況になった時に、支え手不足で十分なサービスが受けられなくなるかもしれませんし(AIやロボットが介護にも入り始めていますよね)、介護保険料が上がり家計をひっ迫する可能性もあります。
歳を重ねても元気でいられるには?80代の頃の自分は何が出来ていると良い?をまずはイメージ。そこから逆算していき、じゃあ今はどんな風に心身をととのえておくと良いか。
"歳をとるとアカンとこもあるけど悪いもんでもない。"
そんな風に言えるような社会に、自分たちも言えるように暮らしていくのも養生デザインに取り組む理由です。
要介護状態になる原因は?
さて、今回のテーマの2つ目。
なぜ介護保険サービスが必要な状態になるのか?
要介護状態=介護が要る状態になる原因の多くは何らかのケガや病気がもとになります。
平成30年の内閣府からのデータになりますが、原因の1位は認知症。2位は脳卒中などの脳血管疾患、3位は高齢による衰弱(これが曲者)。これに骨折・転倒が続きます。
3位が曲者と書いたのは、他の病気やケガの引き金になることが多いからです。例えば、衰弱して筋力が落ちることで転倒につながったり、外に出る気力や活動意欲が下がり脳機能の低下から認知症状が現れてくるなどが起こり得ます。
今であれば、COVID-19感染拡大予防のために外出や旅行の機会が格段に減り足腰の筋力が弱っていることも全国的に懸念されています。加齢に加えて自粛生活で筋力低下が加速している身体。とっさの動きに耐えきれず転倒→骨折につながることも起こりやすくなります。
他にも、人との集まりや会話の機会が少なくなり認知機能の低下がみられる傾向もあります。
人間は本来動くことが自然な生き物。集まること・食べること・動くことを制限される期間が長くなればなるほど、心身も滞り不調が出てきやすくなります。
これらはフレイル=虚弱と言いますが、次回書く予定です。
こんな記事もありました。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020123100328&g=soc
10年先も健やかなココロとカラダを
ちょっと想像してみて下さいね。
自分が80歳を迎える。
人生100年時代と言われるように、80歳代はまだまだ生きることが出来る頃。
周りを見渡すと、同年代の5人に1人くらいは何らかの要介護状態になっている。あっちの世界から早くお迎え来んかなーなんてことも思ったりもするでしょうが(実際よく聞きます)、そんな思う通りには人は死にません。本能的に命が終わらないように生きようとする力が働いていますしね。
どうせ長生きな時代を自分が迎えるなら、80歳になっても元気でいるには?要介護状態になるリスクを少しでも先延ばしにするには?
じゃあ、今からどんな風に準備していくか?
10年先は少し遠い感じがするかもしれませんが、あっという間に自分の年代は過ぎていきます。
40代半ばの私も気づけば50代60代になっているんやろうなと感じます。ここまでもあっという間でしたので。
そんな自分の為にも、日々のTwitterでの発信やほどほど養生があります。
みなさんも健やかな80代を目指して、イヤな気持ちにならずほどほどに出来ることから取り組んでみてくださいね。