story

養生デザインのはじまり

”養生デザイン” が生まれる少し前のお話です。
ご興味あります方はお付き合いくださいね。

ちょっと風変わりな理学療法士と漢方上級スタイリストがいました。

 
理学療法士がずっと感じていたこと。
「調味料は〜グラムまで、食事量は〜kcalまで…。〜cm以上はメタボ… 毎日8,000歩以上…統計からの健康への基準値は理解出来るけど、実践はちょっと難しいな…」
数字をベースにした健康づくりの指導に疑問。 
その人に沿った生活リズムや考え方に合わないと、健康への意識と行動を習慣にすることは難しい。

そして、理学療法士として臨床現場で聞く1番多かった言葉。
「歳をとったらアカンようになるわ〜」 
生活の中で心身機能を支える役割を担っている者として、立ちはだかる悔しくて切ない言葉。 

どうしたら一瞬で終わってしまわず長く続けられる健康法を実践出来るのか?
病気や怪我などで身体が悪くなって介護保険のサービスを受ける前に、少しでも長く健やかで在り続けられないか。運動をわざわざではなく、毎日の生活の中で出来ないか。
そんなことを考える日々を過ごしておりました。 

 一方、漢方上級スタイリスト。
「予防って、ガン予防、介護予防、肥満予防、虫歯予防…なんだか予防の前の ◯◯ありき なところがしっくりこなくて。否定から入るよりも『こうしてたら元気でいられるよ!』っていう前向きな提案がしたい。 」
知っているだけで実践できなかったら知らないと同じ。
兼業主婦や子育ての経験から、忙しい中でも普段から取り入れられることを食事だけでなく、日々の暮らし全体にこの知識を活かせたら… 
そして自分の子宮筋腫や冷えの体験もまじえながら、漢方や薬膳の知識をベースにした地域や風土、季節に合わせた養生の仕方を提案したい。 
そんなことを思いながら過ごす毎日でありました。

そんな2人がとあるきっかけで出会い話し合ったこと。 

・運動だけでなく、食べ物からもアプローチが必要
・養生薬膳と出会い、季節と体質をベースにした漢方養生
・お互いに求めていたことが、予防ではなく「養生」であったこと。 

『わざわざしない運動』
『大好きなふるさとを大事にする』
『30年後の自分のイメージ』 

ふるさとの未来や日々の生活で取り組めることへの思いも同じであったことから、2017年の冬至に初めての「ほどほど養生-冬」の開催となりました。

これが養生デザインのはじまりです。  

これまでの活動を通して

季節と共に活動していくうちに、ますます季節の移ろいと養生のつながり、そしてふるさと福井の特性が養生の実践にとって抜群に恵まれていることを実感しています。

養生とか、予防とか、の言葉のイメージは「〜しないといけない」「〜したらだめ」とどうしてもマイナスの言葉になりがち。 
私たちは、10年後の自分がどんなことをしていたいか?をイメージしていただき、そこにつながる今を大切に出来るように取り組んでいます。
日々の自分にたくさんの◯(まる印)を付けていただけるように。
そのためには、どんな食生活、どんな身体の動きができたら良いか?などを軸に活動しています。

その入り口となるのが「ほどほど養生」という各季節ごとのイベントです。  


養生デザインのこれから

健康に関する様々な情報が溢れる今日。

ただただその情報を鵜呑みにせず流されず、自分は本当は何を必要としているか?
自分の心と身体の声を聞くというメディアリテラシーの要素も取り入れる。
ご自身にあった方法で楽しく笑顔で歳を重ねていけること。

が養生デザインのテーマの1つです。

ふるさとである福井県は身体にも良い食べ物や、リラックスできる自然、海や山と健康の宝箱。
養生をツールに、敦賀や若狭の色々な方やお店とも繋がり、お互いに地域循環できたらと思っています。
まちづくりやヘルスツーリズムや子どもたちへの教育なども、これから取り組んでいくところ。 

そして… 「歳を取っても悪くないもんや」 そう言える社会を作ることを目指していきます。